2. 「握って回れる」水面が生む高速ターンの仕組み

蒲郡競艇コラム

レバーを握り続けるか、いったん戻すか。競艇のターンは、ほんの一瞬の判断で着順が入れ替わります。公式サイトが蒲郡の水面を表すときに使う「握って回れる」という言葉は、この判断に深く関わっています。

「握って回る」とはどんなターンか

「握って回る」(スロットルレバーを握ったまま、減速せずに全速でターンすること)は、スピードを落とさずに旋回する走り方です。ボートはレバーを握るほど加速し、戻すと減速します。ターンの手前でレバーを戻せば旋回は安定しますが、そのぶんスピードを失い、ターンの出口で後続に迫られやすくなります。

全速のままターンするには、外へ膨らんでも危なくない水面の広さと、艇が跳ねたり流されたりしにくい穏やかな水面の両方が欠かせません。スピードターン(減速を最小限に抑えて旋回するターン)が成立しやすいかどうかは、選手の技術だけでなく、水面の条件にも左右されます。

蒲郡で「握れる」条件がそろう理由

蒲郡競艇場には、全速ターンを支える条件が重なっています。

  • 広さ:1マーク(スタート後に最初に回るターンマーク)のバック側(1マークの外側から向こう岸までの水面)は156.7mで、kyoutei-naviによれば全国24場の中で最も広い数値です
  • 風の穏やかさ:湾の内側に位置し、公式サイトも「風の影響も少なく穏やかな水面でスピード戦が展開される」と紹介しています
  • 潮の影響の小ささ:水質は汽水(海水と淡水が混じった水)ですが、海と直接つながっていないため、潮の影響は小さいとされています

それぞれの条件は、1マークバック側156.7mの記事と汽水の記事でも詳しく取り上げています。

決まり手への影響と予想での使い方

全速で回れる水面では、外のコースの艇もスピードを保ったまま攻め込めます。BOATRACE公式サイトの集計(2026年6月1日〜8月31日)で外のコースの決まり手(1着になった艇の勝ち方の分類)を見ると、その傾向がはっきり出ています。データは実際に入ったコースが基準で、枠なり進入(号艇番号どおりにコースへ入ること)であれば1号艇=1コースです。

  • 3コース:まくり(内側の艇の外を全速で回り、一気に追い抜く勝ち方)41.4%、まくり差し(外から攻めつつ、内側の艇の間を割って抜け出す勝ち方)47.1%。2つを合わせると88.5%(当サイトの計算値)
  • 4コース:まくり63.9%、まくり差し24.5%。2つを合わせると88.4%(当サイトの計算値)
  • 5コース:まくり差し69.4%

いずれも「そのコースが1着になったレースの中での割合」です。また、5・6コースは1着になる回数自体が少ないため、決まり手の割合は少数の結果で大きく動く可能性があります。

予想では、展示航走(レース直前に行われる本番前の試し走り)で、各艇がターンの入り口で大きく減速していないか、ターンの出口で外へ流れていないかを確認しましょう。握り切れている外の艇は、まくりやまくり差しの候補として評価を上げる価値があります。反対に、右横風(コースを横切る向きに吹く横風の一つ)が4m以上の日はスピードターンが不発になりやすいとされるため、「握れる水面」という前提をいったん外して考えます。

まとめ

「握って回れる」は、広さ・風の穏やかさ・潮の影響の小ささがそろって成り立つ蒲郡の性格です。外のコースが勝つときの大半が外から攻める形であることも、この性格と結びついています。展示で「握れているか」を確かめる習慣が、蒲郡攻略の基本になります。

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